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マクロスF・F(フロンティア・ファイアー!!)

1.第一の手紙

2059年 ○月×日

 この日記帳も、もう13冊目になる。
おじ様に拾われて、文字を覚えてから書き始めて、ずっと続けてるから…
大体、4歳位から?
ズボラなアタシには珍しく(おじ様に似たのよ?私の責任じゃないんだから!)1年に一冊のペースでページを埋めている。

あ、でも最初の方は今見るとハズカシいなぁ…
文字も楽譜も、おじ様に習ったのだから、すごく、その…うわぁ、前衛的…
7つの時にお姉様に教わるまで、人に読んでもらえる文字って書けなかったのよね…
(お姉様って言うのは、マクロス7のおじ様の元メンバー。桜色の髪がスゴく綺麗なの♪)
今でも、楽譜だけは直らないけど…良いのっ!私が歌えば良いんだから!
…こんな事思ってても、ここに書いていても、おじ様への感謝は消えないと思う。
だって今までの日記には、おじ様の事ばっかりなんだもの。
おじ様が新しい歌を歌ってくれた。
私も憶えて、皆の前で一緒に歌った。
おじ様が操縦を教えてくれた。
思い通りのマニューバが出来ると、大きな掌で、頭を撫でてくれた。
おじ様が、又、女の人に軽―く声をかけて、何くれと世話をやいてもらっていた。
というか、この人本気で女の人達の感情に気付いて無いのだろうか…!
…気付いて無いんだろうな、お姉様が可哀想。
おじ様が、又、戦闘の中に歌いに行った。
心配で不安で、胸が張り裂けそうだったけど、帰ってきた皆も、おじ様も笑顔だった。
…そんなことばっかり。

私は相当なファザコンなんだと思う。
おじ様の事は、銀河で1番カッコいい男性だと思っているし、
おじ様のような歌手になりたい、私も歌で銀河中を震わせたいと思っている。
だからこそ、おじ様から離れて、一人で出来るまでやってみたいと思うの!
お金はおじ様と一緒に銀河を渡り歩いた今までの、私のメディア売上と著作権料でどうにかなります。
礼儀作法だって、ビジョン嫌いのおじ様よりテレビ出演回数は多いし、どうにかなります!
最後のおじ様の鬼門…バルキリーの操縦について。
「独り立ちしたいってぇんなら、バルキリーの操縦で俺に勝ってみやがれ!」
との事でしたね?それをこれから証明します。
13冊目の最初のページだけど、これは破り取って、貴方に渡します。
これは果し状…そして銀河の妖精シェリル・N・ノームの、自由への片道チケットよ!
今日の、ニューエドワーズ基地でのYF-24性能試験。
おじ様には3時からと伝えたけど…ゴメンナサイ、あれ嘘!正午から。
元々はおじ様に来た仕事だけど、アタシがおじ様のVF-19に勝てば問題無いよね?
早めに出てお待ちしています、逃げるならどうぞご自由に。そのまま出発するだけだから。
その真っ赤なオシリに一発喰らわせてやるから、覚悟なさい♪

貴方のカワイイ銀河の妖精 シェリル・N・ノームより
(署名の下には、ハートの上にこれ見よがしとキスマークがされている)

「…シェリル…あンのアホが…!」
朝方、この星での逗留先に選んだ安ホテルのロビーでこれを受け取り、
クシャッと手紙を丸めて、ギターを引っ掴んで、
支払いを済ませて、ホテルを駆け出すまで僅か10秒。
彼を知る者が見たら、支払いを忘れていなかった事にまず驚くに違いない。
そしてその次に、彼が他人の事でこんなにも泡を食う事にも驚くだろう。
それほどに、シェリルの存在は彼の中で大きいものだった。
シェリルが書いたのより、何倍だって、何十倍だって、俺の方が愛していると断言できる。
それにしたって…愛機の駐機場所に向かうシャトルカーを探し、駆けながら彼は思う。
「今、アイツは関係ねぇだろうが…!」
桜色の髪の、この前にあった時は随分艶めかしく成長していた、
しばらく会っていないバンドメンバーの事を思いながら、
彼はシャトルバスを、半ば体を張って停める。
「待ってろよ…!すぐに吠え面かかせてやるからなァ…!シェリルー!!」
また変な客だな、と思いながら、運転手はドアを閉じた。

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