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グロ注意 ケダモノの王3 ~ショタアレルヤ輸送艦での日々より~

…終わりは、呆気無かった。
彼の乾いた唇も、土気色の頬も、落ちくぼんだ目も、何一つ変わりは無かったけれど、
赤く赤く染まったスモックと、自らの口内の、甘く芳しい彩りが、全てを物語って…
―――あ、あああぁああぁあぁあ…―――
「…よぉアレルヤ、おはようさん♪」
―――顎が動くのを感じる、僕が動かしているワケでは無いけど、でも美味しく感じているのは僕?いやちがうこれは僕じゃない!―――
―――あぁ彼が口の中でグチャグチャに、美味しい、とろけそうに甘い、違う違う!ぼくはケダモノなんかじゃないんだから!―――
―――友達なのに!!だいじな人なのに!あぁ!なのに!なのに…友達なのに、こんなにも―――
嚥下した…その途端に体が喜びを得るのを感じた。
その瞬間、彼はアレルヤでもハレルヤでも無かった。
ただただ、体の求めに応じて、喜びを吐き出す。
―――あああああああああああぁぁぁーー~~!!―――
「あぁ、美味いよなぁ…」
体も、心も、穢れたのがわかった。

…アレルヤは呆然と、ハレルヤが行う解体作業を見つめていた。
腹から胸にかけて、実に手早く、嬉々として作業を進めていく。
…しかし、それも自らが綿密に計画した結果なのかもしれない。
自分も心の何処かで、この結末を望んでいたのかもしれないと思うと、気分が重く沈んでいくのを感じた。
―――………?―――
視界の端で、何か動く物を見た気がして、アレルヤはそちらに意識を向けた。
…彼の唇が弧を描き、笑みの形を取っている。
喜びと感謝に満ちた眼が、こちらを見すえていた。
―――あぁ、君は、こうなる事が幸せだったんだね―――
獣の王のように、大事な者達に殉じ、永遠を生きる。
それが彼の望みであったのか。
―――…でも、そんな眼で見ないでくれよ…僕は卑しい獣に過ぎなかった…気高い貴方とは違う―――
幸いな事に、涙は流せた。
涙で視界を滲ませて、その視線から逃げるようにして。
アレルヤは、意識を埋没させた。

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ケダモノの王2 ~ショタアレルヤ輸送艦での日々より~

彼は様々な風景をアレルヤに聞かせてくれたが、とりわけ彼自身がお気に入りだったのは、サバンナと呼ばれる、地球に存在する荒野だった。
「アフリカの草原はね、獣たちの王国なんだ…!電気自動車より速く走るチーター、施設の部屋なんかに収まりきらない位大きいゾウ、スゴい動物達が一杯なんだ…!」
そう話す彼は、本当に楽しそうだった。瞳をキラキラさせながら、まだ見ぬ楽園を語り続けた。
「でも、本当にスゴイのは百獣の王、ライオンさ…力強くて、群れを守るためには、命をかけて戦う…!」
そんな所が自分の憧れなのだ、と彼は語った。いつか一緒に見に行こう、とも
叶わないと知ってはいても、その物語は、アレルヤの胸に力強いライオンを夢見させるに充分な物だった。

「アレルヤ…知ってるかい?ライオンが、死んだ後の話…」
「…え?」
「ライオンはね…群れに良く貢献した仲間を、皆で分け合って食べるんだってさ。そうやって、失われた仲間を、自分達の中で永遠に生かすんだって…」
…彼の眼は、真っ直ぐにアレルヤを見つめていた。
「………僕も、」
食べてくれないか?そう眼が語りかけた瞬間、アレルヤは走り出し、部屋を駆け出していた。
あぁ、なぜって…彼の意思を理解した時、もう一人の自分が、こう告げたのだ。
―――なるほど、確かにそりゃあ名案だぜ―――と…

―――アレルヤさんよ、良いじゃねぇかよ?ヤロウが良いって言ってんだから―――
「馬鹿を言わないでくれ…!そ、そんな…獣みたいな事…!」
―――ケダモノケッコー、死ぬより良いだろ?それがアイツの望みなんだから―――
「やめろ、やめてくれ!第一、彼が死ぬなんて…嫌だ…!」
―――でもアイツ死ぬぜぇ?ほっといても。俺がわかって、お前にわかんねぇワケねぇだろ?―――
「僕の食料を分けるよ、看病だって今より増やす。絶対に死なせはしない…!」
―――今のいっぱいいっぱいの状況で?おいおい、俺等が死ぬぜぇ…?―――
「それでも良いよ…!彼を殺すより、その方が何倍も良い!!」
―――…ざけんなコラ、俺が許すと思ってんのか…?―――
「従わないなら、この銃で死ぬ…!絶対に譲らないからな!」
―――ハァ、しょうがねぇな…なら妥協案と行こうぜ…チキンレースだ―――
「チキン、レース…?」
―――お前はお望み通りの生活をする。俺はそれを邪魔しねぇ…お前の体をモニタするだけだ―――
―――ただ、俺も死ぬわけにゃいかねぇ…お前の体がもう限界だって時、お前の意識が途切れて、後はオダブツを待つだけだ…って時は、俺に体を譲る―――
「…良いよ、それで…!」
―――ははは…オッケーオッケー、精々頑張るんだなァ―――

「………んっ」
アレルヤはハッと気が付いた。看病をしている内に眠りかけていたらしい。
「…いけないいけない」
しっかりしないと、と思う。まだ先は長い、これから救助が来るまでを、彼と一緒に生き抜かないといけないのだから。
彼はもう喋る事も無くなったが、まだ息はあった。
彼も頑張っているのだから、自分も頑張らなければ…!

…年若いアレルヤは、まだ知らない。
本当にいけない時ほど、人は、自分を鼓舞する事を繰り返したがる事を。
日常作業、連日の看病…その全てを空腹の中でこなすアレルヤは、心身共に憔悴しきっていた。
少年達は信用できない。冷たい艦内での、いつ終わるともしれない孤独な戦い。
気力だけで持ちこたえる体は、徐々に、意識を途切れさせていった…

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マクロスF・F(フロンティア・ファイアー!!)

1.第一の手紙

2059年 ○月×日

 この日記帳も、もう13冊目になる。
おじ様に拾われて、文字を覚えてから書き始めて、ずっと続けてるから…
大体、4歳位から?
ズボラなアタシには珍しく(おじ様に似たのよ?私の責任じゃないんだから!)1年に一冊のペースでページを埋めている。

あ、でも最初の方は今見るとハズカシいなぁ…
文字も楽譜も、おじ様に習ったのだから、すごく、その…うわぁ、前衛的…
7つの時にお姉様に教わるまで、人に読んでもらえる文字って書けなかったのよね…
(お姉様って言うのは、マクロス7のおじ様の元メンバー。桜色の髪がスゴく綺麗なの♪)
今でも、楽譜だけは直らないけど…良いのっ!私が歌えば良いんだから!
…こんな事思ってても、ここに書いていても、おじ様への感謝は消えないと思う。
だって今までの日記には、おじ様の事ばっかりなんだもの。
おじ様が新しい歌を歌ってくれた。
私も憶えて、皆の前で一緒に歌った。
おじ様が操縦を教えてくれた。
思い通りのマニューバが出来ると、大きな掌で、頭を撫でてくれた。
おじ様が、又、女の人に軽―く声をかけて、何くれと世話をやいてもらっていた。
というか、この人本気で女の人達の感情に気付いて無いのだろうか…!
…気付いて無いんだろうな、お姉様が可哀想。
おじ様が、又、戦闘の中に歌いに行った。
心配で不安で、胸が張り裂けそうだったけど、帰ってきた皆も、おじ様も笑顔だった。
…そんなことばっかり。

私は相当なファザコンなんだと思う。
おじ様の事は、銀河で1番カッコいい男性だと思っているし、
おじ様のような歌手になりたい、私も歌で銀河中を震わせたいと思っている。
だからこそ、おじ様から離れて、一人で出来るまでやってみたいと思うの!
お金はおじ様と一緒に銀河を渡り歩いた今までの、私のメディア売上と著作権料でどうにかなります。
礼儀作法だって、ビジョン嫌いのおじ様よりテレビ出演回数は多いし、どうにかなります!
最後のおじ様の鬼門…バルキリーの操縦について。
「独り立ちしたいってぇんなら、バルキリーの操縦で俺に勝ってみやがれ!」
との事でしたね?それをこれから証明します。
13冊目の最初のページだけど、これは破り取って、貴方に渡します。
これは果し状…そして銀河の妖精シェリル・N・ノームの、自由への片道チケットよ!
今日の、ニューエドワーズ基地でのYF-24性能試験。
おじ様には3時からと伝えたけど…ゴメンナサイ、あれ嘘!正午から。
元々はおじ様に来た仕事だけど、アタシがおじ様のVF-19に勝てば問題無いよね?
早めに出てお待ちしています、逃げるならどうぞご自由に。そのまま出発するだけだから。
その真っ赤なオシリに一発喰らわせてやるから、覚悟なさい♪

貴方のカワイイ銀河の妖精 シェリル・N・ノームより
(署名の下には、ハートの上にこれ見よがしとキスマークがされている)

「…シェリル…あンのアホが…!」
朝方、この星での逗留先に選んだ安ホテルのロビーでこれを受け取り、
クシャッと手紙を丸めて、ギターを引っ掴んで、
支払いを済ませて、ホテルを駆け出すまで僅か10秒。
彼を知る者が見たら、支払いを忘れていなかった事にまず驚くに違いない。
そしてその次に、彼が他人の事でこんなにも泡を食う事にも驚くだろう。
それほどに、シェリルの存在は彼の中で大きいものだった。
シェリルが書いたのより、何倍だって、何十倍だって、俺の方が愛していると断言できる。
それにしたって…愛機の駐機場所に向かうシャトルカーを探し、駆けながら彼は思う。
「今、アイツは関係ねぇだろうが…!」
桜色の髪の、この前にあった時は随分艶めかしく成長していた、
しばらく会っていないバンドメンバーの事を思いながら、
彼はシャトルバスを、半ば体を張って停める。
「待ってろよ…!すぐに吠え面かかせてやるからなァ…!シェリルー!!」
また変な客だな、と思いながら、運転手はドアを閉じた。

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